Dog bites THE ELEPHANT

あれは中学生の頃。
体育の授業で、私はハンドボールゴールキーパーをしていました。


これを幸いと思ったのが同じクラスの不良ども。
後に暴走族→暴力団コースをひた走る筋金入りのワル。
生意気なモヤシ野郎を合法的にいたぶる口実が出来て大喜び。


・・・昔、「アストロ球団」ってあったでしょ?
あれに、野球の勝敗なんかには目もくれず対戦相手を殺害することのみに執念を燃やす悪の球団が出てきましたよね。
奴らの目はまさにそいつらと同じ黒き輝きに満ちていました。


彼らは、得点する気なら絶対しないキーパーど真ん中のシュートを全速力で決めてきました。
守るのは楽でした。わざわざ障害物めがけて投げてくるんだから。
しかしサッカーより強力なハンドボールのシュートを全身に受けてぼろぼろ。
しかも、意地でもキャッチをしなければいけない。
もしはじいたら、すかさず拾われて追撃。
後ろのゴールを狙えば楽々得点できるのに!


運命とは過酷なもの。
こういった私の惨状を知っていながら、味方プレイヤーが反則してしまいました。
・・・PT*1です。
攻撃側はいかにも強肩そうな大男。
対して8教科オール5を取っておきながら体育だけは2という典型的な頭脳派(手負い)。
誰か交代してよ、という合図も空しく、味方は「今まで役立たずだったんだからここで挽回しろ」オーラを漂わせています。


しかし、うだうだ言っても始まらない。
担当の先生は巨人の星とかエースをねらえとかを見て育ってきた
世代で、「特訓は辛く厳しいほどよい」という迷信を頑なに信じています。
これから繰り広げられる殺人投法の数々を「強くなるための試練」としか考えていないに違いありません。
やるしかない。死んだら化けて出てやる。


時は11月。熱中症では死なないのが不幸中の幸いか。


今、得点などする気のない(しなくても勝っている)、キーパーいじめのためだけの豪速球が投げられました。
私のやることはただ一つ、なるべくダメージの少ない方法で、確実にキャッチすること。


やつの球を捉えた。
・・・タマが。
ええ、私に2つついてるやつが。


あとは男子諸君の想像するとおりです。
試合続行不可能により退場。
・・・するはずが退場も不可能。
声も出ない、ただ嫌な汗を流しながらその場にうずくまるのみ。


不良A(現・暴力団チンピラ)は大笑い。他の男子は遠巻きに同情の目。
そして「根性が足りない」という目をする間違った方向に熱血しているクソ教師と女子全員


女子に悪気はなかったのでしょう。
「ちょこっと当たったぐらいで何を大げさな」という気持ちは分かります。
しかし本当に動けないぐらい痛いんです。


・・・というわけで股間強打の痛みについて力説する予定だったんですが
前フリだけで長くなってしまったのでまた明日。


とりあえず、娘さんがいるお母さんにはぜひ読んでいただきたい。
間違っても股間強打で悶絶している男子を指さして笑うような女の子には育てないでください!
・・・一人の男としての魂の叫びです。

*1:ペナルティスロー。サッカーにおけるペナルティキックを手で行う