無敵看板娘

週刊少年チャンピオンで人気連載中のコミック「無敵看板娘」が、4年の歳月を経てついにアニメ化。
30分2本立て、全24話放送予定。


アニメ化に当たっては、勢いが全てといっていい原作の雰囲気をどこまで再現できているかが最重要課題でしたが、2週目終わっての感想は・・・。


やっぱり勢いだけのアニメでした。
ネットを巡回していたら、「昔夕方頃にやってた、みんな見てるのに、うちだけ親が『見るとバカになるから』って見せてくれなかったアニメみたいだ」という評がありましたが、これが全てを物語っています。
既存のアニメに例えるなら、もーれつア太郎とか、丸出だめ夫とかのノリに近いですね。
原作が既にそうなのですが、主人公たちの見た目に騙されて、萌え萌えの女の子が出てくるハートフルコメディだと思っていると痛い目を見ます。
ふたを開けてみたら、やたらと泥臭い、正統派にして硬派なギャグまんがなのですから。
逆に、ただひたすらおバカなまんがが見たい人には是非お勧め。


1〜2話は無難に原作通りの内容だったのですが、それがかえって仇となっていました。
漫画だと1コマですむ内容も、セリフのあるアニメでは数秒かかってしまい、どうしても展開が間延びしてしまうのです。
オチに10秒もかけていたら普通の視聴者は冷めてしまいます。
また、原作でもネックとなっていた漢語連発の説明的な口調。アニメでもそのままになっていますが、声に出されるとはっきり不自然だと分かってしまいます。
アニメ化するなら、原作のおもしろさをアニメでも表現するにはどうしたらいいかを考えていかなければならないのですね。


週が変わって3〜4話は、人気キャラ・西山勘九郎が初登場。
「ニャー」の愛称で知られる、美輝への復讐に燃える熱血バカ
何よりも重要なのが「熱血バカ」の「バカ」が文字通りの意味だということです。
今回は独自のアレンジも生きていて、原作のおもしろさがよく分かっている人の仕事だと一発で分かる内容でした。
そして、生き生きと動きまわる勘九郎
(不純ではあるものの)ただ一つの目的のためにひたすらアツく、そのアツさが逆に滑稽な男。彼の魅力はそこにあるわけですが、それを原作以上に引き出したのは見事としかいいようがありません。
原作における勘九郎初登場の回は、連載初期でキャラが固まっていないせいもあってどちらかというと不評の部類に入りますが、多分脚本書いた人は勘九郎のどこに人気があるのかをきっちり研究していたんでしょうね。
アニメのつかみを飾るにふさわしい好キャラとなってくれました。