ポケモンバトルレボリューション(Wii)

ニンテンドーDSで育てたポケモン達を、3D画面で戦わせる為のソフト。
DS版ポケモンはなくても遊べますが、その場合はレンタルのポケモンを使うことになるため、ちっともおもしろくありません。


1人用は、DS版ポケモンのボックスデータをWiiにコピーして遊びます。
N64-GBやGC-GBAの通信は、専用のコントローラーパックやケーブルが必要だったのに対し、DS-Wiiは無線で一発。読み込みも結構速く、快適。
ポケモンを読み込んだらCPUと対戦するのですがこれが、7連戦と長丁場。
スタジアムごとに様々なルールがあるのも特徴の一つ。例えば・・・

レンタルバトル

毎度おなじみ、レンタルポケモンしか使えないバトル。
バランスはそろっているので、著しく不利になることはあまりないですが、レンタルの宿命か意味不明な技を持っていることが多いです。

チームバトル

柔道の団体戦のように、一騎打ちを5回やって3勝した方が勝ちというルール。もちろん交代不可。
ポケモン交代がいかに重要かをつくづく感じされられるルール。早い話があまり面白くない。
ポケモンにはタイプ相性という概念があり、1匹だけだと有利不利がかなり明確に出てしまいます。
こっちが炎ポケモンで相手が水ポケモンだった場合、何もしなければ普通は負けます。そこでポケモンを交代するわけですが、交代したターンは無防備になりますし、相手も交代を見越し、交代先のポケモンに有利なポケモンを合わせてくるかもしれません。
こちらの炎ポケモンが電気タイプの技を持っている場合、攻撃できれば敵の意表を突くことができますが、向こうの方が先に攻撃してきた場合は技すら出せないまま倒される可能性もあります。仮に攻撃できたとしても、一撃で倒せなければこちらの不利は変わりません。
このルールはそういった駆け引きが一切ないので、単なる「ジャンケン5本勝負」になっちゃっているのですね。

フォーチュンバトル

敵味方合わせた12匹の中から、ランダムに4匹ずつ選んでバトルします。
手塩にかけて育てたポケモンが敵になる可能性があるばかりではなく、足手まといを押しつけられることもあるという恐怖のルール。
単なる対戦とみればスリルがあって面白いですが、ともに冒険してき仲間を、愛着も何もない敵のポケモンで叩き潰さなければならないこともあり、ポケモン好きほどいたたまれなくなります。
RPGの基本である「感情移入」がないがしろにされているように思えてなりません。

リトルバトル

「リトルカップ」として古くから遊ばれているルール。
進化できるポケモンの一番進化していない状態で、レベル5以下のポケモンのみが出場できます。
ルールの特性上、「りゅうのいかり」「ソニックブーム」などの固定ダメージ技は必ず失敗します。
親からいかに強力な技を遺伝させるかが勝敗の決め手。本格的にやろうとしたら攻略本は必須で、かわいらしい見た目の割に奥が深いです。


対戦プレイは、DSバトルとWi-Fiバトルがあります。
DSバトルは、ニンテンドーDSをコントローラー代わりに対戦します。
対戦方法は、一人1匹ずつ出すものと2匹ずつ出すものがあります。
致命的なのが、4人が1匹ずつ出して2vs2で戦うルールがカットされていること。また、他の機能がDS版と変わらないので、3D画面にする必要がなければDS同士で対戦した方が早いということ(複数のポケモンを眠らせたり凍らせたりできないルールなら別)。
技の指示やポケモンの交代はDSのタッチパネルを使って行います。GC版と違い、専用のケーブルを使う必要もなく、至って快適。


非常にありがたい機能が、「レベル50フラット」という追加ルール。
ポケモンのレベルを50に揃えてくれるというもの。
主力ポケモンがレベル80でも、いちから育てる必要がありません。
但し、ポケモンのステータスは、レベルの他に戦闘回数*1が影響するので、「育てたポケモンの方が有利」という点は変わりませんし、レベルが高ければそれだけ強力な技を覚えるので対処が難しくなります。


Wi-Fiバトルは、Wii無線LANを使用して行います。
DS版ではできない不特定多数との対戦がやっと可能に。
但し、最初の挨拶が固定になったり、ニックネームが向こうに表示されなかったり、もちろんボイスチャットはできなかったりと、かなり味気ないものになっています。
また、ルールが自動的に無制限になってしまうので、2匹以上眠らせたり凍らせたりもできますし(従来の公式大会ではできない)、伝説のポケモンも使い放題。最後のポケモンで自爆したり道連れしたりもできます(従来の公式大会では、自動的に負け)。
おかげで、いざやってみると伝説のポケモン合戦になってしまい、興ざめです。
また、ダブルバトルは今のところ閑古鳥で、たまに当たっても「まもる」→「だいばくはつ」戦術ばっかり。今後に期待。


総合的に言って、基本的なインターフェイスは揃えているものの、制作側がポケモンをあまり理解していないように思えます。
開発元のジニアス・ソノリティは、過去にポケモン史上最悪クラスの駄作「ポケモンコロシアム」をリリースした前科があり(どう駄作だったのかはまたいつか)、それに比べれば遙かにマシといえますが、N64用ソフト「ポケモンスタジアム」シリーズとは比べるべくもありません。
肝心の3Dバトルにしても、生き物が動くということを全く分かっていない。まるでお人形遊びのようなチープなモーションしかできていません。
人間の描写にしても、「ポケモンコロシアム」が64以下の最悪グラフィックだったからマシに見えているだけ。負けて悔しがっている絵なのに笑っているようにしか見えない顔や、重量感の感じられない動きは相変わらず。
次世代機になったとしても、グラフィックの出来は結局人に左右されるんだなという典型でもあります。


ポケモンXD」あたりまでは今後の向上に期待といった感じでしたが、これ以上こいつらに作らせたら、何をやるか分かったものではありません。
ドラクエを作ったからといって、ポケモンを作れるとは限らないのです。

*1:厳密には「努力値」。ポケモンを倒すと経験値の他にもらえる値です。ゲーム中では「基礎ポイント」という名前になっており、タウリンブロムヘキシンを使用することにより、ある程度までは上げることも可能。