ワンダーモモ(VC-PCE)

よもやPCエンジン第1号がこのソフトになろうとは・・・。


硬派なゲームやファミリー向けゲームを数多くリリースしているナムコ(現・バンダイナムコゲームス)ですが、時々血迷って萌えゲームを作ることがあります*1。これはその第1弾ともいえるソフト。
「萌え」なんていいましたが、このゲームのリリースは1989年(元となったアーケード版は1987年)。「萌え」という言葉が登場する遙か以前、そもそも「おたく」という言葉が誕生していくらもたっていない時代のソフトなのです。


タイトルは魔女っ子アニメみたいですが(実際、「ミンキーモモ」というアニメがある)、キャラクターや世界観はどちらかというと特撮ものがベースになっているようです。
ステージはヒーローショーの舞台という設定になっており、ステージ開始時は緞帳が上がり、背景はハリボテで、敵キャラは安っぽい着ぐるみのよう。画面下には観客が描かれており、時折カメラ小僧も出現します。
主人公も80年代ラブコメを彷彿とさせる見てくれで、変身するとモモレ○ジャーのようなヘルメット姿に。
これの発売当時、私はまだ幼稚園にも上がっていなかったわけですが、当時の美少女アニメってそういえばこんな感じだったなーとそこはかとなく思い出されます。


操作はとても単純。2ボタンでジャンプ、1ボタンでキック(Wiiリモコン横持ちの場合)。
現れる雑魚をあしらいつつ、しばらくたつと出てくる怪人を倒せばステージクリアです。
ピンク色の竜巻に触れることによって変身し、攻撃力がアップするほかアイテムを使った必殺技が出せるようになります。


しかし、「単純」と「簡単」には天と地ほどの差があるわけで。
このヒト、真上への攻撃手段がないに等しく、空を飛ぶ敵には苦戦必至です。
また、飛び道具を相殺する手段もあまりないので、中盤、手裏剣や砲弾が雨霰と飛び交う中ではボコ殴りにされます。
変身するとリング状の武器を飛ばせますが、これも一つしか投げられず、もう一度投げるためには拾いに行かなければならないという極悪ぶり。
あるアイテムを取ると高速回転し、飛び道具をばらまいて周囲の敵をなぎ倒しますが、この頼れるアイテムを取りに行こうとすると、まず何らかの敵にじゃまされます。


さらなる強敵が、観客席の「カメラ小僧」。
こいつにパンチラ(もちろん画面では見えない)を撮られると、主人公がスカートを押さえてへたり込んでしまいます。ミニスカートで堂々とハイキックしてるのに・・・。


そんなわけで、かわいらしい外見とは裏腹に鬼のような難易度を誇るゲームです。
昨今のヌルいゲームに毒された身には本当につらい(これ、VCソフトを紹介するたびに言ってるような)。


特定のステージをクリアすると、ご褒美として主人公の一枚絵が見られます。
・・・といっても制服姿や水着姿ですが。
やたら恥ずかしいポエムと一緒になっているあたりが、当時のアイドルグラビアみたいで哀愁を誘います。
この手のゲームでは今やお約束のサービスですが、本格的に導入したのはこのソフトが初だそうで、そのためにこのゲームを「ギャルゲーの元祖」と位置づける人もいるようです。


本作のメインテーマは、リズムアクションゲーム「太鼓の達人」にもボーカル入りで収録されています。
このテーマは、声優の桃井はるこさんによるリメイク版も存在し(こちらも「太鼓の達人」収録)、一部で人気を誇っているようです。

*1:ほかには・・・脱衣陣取りゲーム「ダンシングアイ」(AC)、3Dギャルゲー「ゆめりあ」(PS2)、アイドル育成ゲーム「THE IDOLM@STER」(AC/Xbox360)などなど。