母の原付

私がまだ小さい頃、アパートの車庫に黄色い原付があったのを覚えています。
私はウグイス色だと思っていたのですが、父に確認したら黄色だったみたいです。
これは母のものだとは言われていたのですが、私は母がこれに乗るところを一度も見たことがありません。


それもそのはずで、その原付はその時既に壊れていて、いつの間にかなくなっていました。


結婚してからすぐの頃、母はこれに乗っていろんなところにすっ飛んでいたそうです。
藤代町(現・取手市)の友人のところまで行ったこともあるそうな。
しかし、私を妊娠してから、万一のために乗らなくなり、私が生まれたら今度は原付の方が壊れてしまって、廃車にせざるを得なかったんだとか。


母は、普通自動車の免許は持っていました。
そして、優良運転者でした。
・・・だってペーパーだもん。
免許を取ったあとは、エンジンのかけ方も忘れたみたいです。
父が、免許はATで取ると言って聞かない妹に「涼子(仮名)だって取れたんだから大丈夫だって!」 と諭していたほど。
当時はAT専用免許はありませんでしたからね。


ことほど左様に機械に弱いうちの母が、原付とはいえエンジンのついた乗り物を華麗に乗りこなしていたなんて信じられません。
もし、私が生まれてからも原付をちゃんと整備していたら、母のイメージも少しは変わっていたのでしょうか。
バイクに乗れるなら幼稚園の送り迎えもそれでしてくれればいいのに(註:原付の二人乗りは道交法違反です)と、当時は思っていました。
今となっては母のバイクに乗る姿は永久に見られなくなってしまったのが残念です。


アル君がヨー友に来る時に乗ってるバイクがカッコイイので、二輪も取ろうかなと一瞬考えてみました。
・・・でも四輪の時速30kmでビビっているようじゃ永久に無理だろうなあ。