衆議院議員総選挙 自民党圧勝

・・・というより、野党・造反組自爆と言った方がいいような気がします。
小泉氏は、以前からの公約である「郵政法案が否決されれば解散」を馬鹿正直に実行してしまっただけです。
普通はやらないんですが、この人は前回の衆院選の時から、何をやらかすのか分からない人だったんです。
2003年後半の政治ニュースは、「小泉がいつ衆院を解散させるのか」に絞られていたはず。
それこそ、2004年の任期満了まで引っ張って、過去2回しか(しかも想定外の事態でしか)行われていない衆参ダブル選挙にもつれ込むという予想まで立っていたわけです。


小泉総理は、あらゆる意味で普通ではない。
そりゃ、造反議員に刺客を送り込むことまでは分からなかったとしても、
なんかの弾みで想定外の解散をすることぐらい分かっていたはず。
今回、亀井静香が「急な解散で時間がなかった(のが敗因だ)」とか言っていましたが、間抜けきわまりない。
今後の展開を読む以前に、党の方針に逆らうなら離党して不信任→解散総選挙の覚悟と準備ぐらいしておけと。
もしこのセリフが負けた言い訳でないのだとしたら、結局いつも通りなあなあですませるつもりだったのがバレバレじゃないですか。


解散の時にちょこっと書きましたが、今回、小泉氏も勝算があっての解散ではなかったと思います。単なるだだっ子にしか見えませんでしたもん。
それなのに勝ったのは、ひとえに野党がアンチ小泉・郵政側の票田確保だけの風見鶏に終始していたのに対し、与党側が一つだけとはいえ「郵政をこう変える」という一貫した主張を崩さなかったことによるものです。


小泉の手法がヒットラーに似ているというなら、ヒットラー台頭の陰には野党があまりにもお粗末で、「明確なビジョンと一貫した主張」を持った人に注目が集まっちゃった、というのがあることを見逃してはいけません。


もう一つ、「小泉は郵政のことばかりで、他の政策が見えてこない」という論。
それで負けたから小泉はダメだ、というのなら話は分かるのですが、今回それで勝ってるわけですよね。
ということは、国民が「郵政一つだけでもいいから現状を変えてくれ」という答えを(正しいかどうかはともかくとして)出した、ということです。


もし、郵政法案可決成立後、小泉氏が本当に何もできないのであれば、それこそ反対派は自民党を離党し、野党と共に内閣不信任案を出せばよい。
それで解散総選挙になり、自民党がそれ以上のマニフェストを出せなければ、そこで初めて「ああ、小泉さんは郵政だけの人だったのね」ということになります。
そうなれば、自民党は惨敗するでしょう。


私自身、今回の自民大勝はあまりよく思っていません。
しかし、アンチ小泉だけではこの状況は絶対に改善しません。
各論だけではなく、総論で見て破綻のない具体的な政策と、
与党の矛盾点を的確に批判し、改善できる野党が必要なのです。
はっきり言って今の民主党社民党にはそれがなさ過ぎる。
政権交代の前に、野党としての機能を果たしていただきたい。