メディアリテラシーについて続々

まずは、昨日の種明かしから。
昨日の記事を見ていない人のために、「続きを読む」にしておきます。

1. 無色透明・無味無臭の気体ですが、液化すると薄い青色になり、磁石にくっつくという不思議な性質を持っています。

これだけ見ると、何やら不気味な物質のように見えますが、液体酸素は実際に薄い青色で、ネオジム磁石などの強力な磁石にはくっついてきます。
逆にいうと、こんな気体は酸素しか存在しないので、化学に詳しい人であればこの時点で酸素だと気付くのですな。

2. その気体にふれると、ほとんどの金属は腐食し、生ものは腐敗します。

よくよく考えてみれば、酸素の基本的な性質ですね。

3. 水素との化合物は、一部の金属と激しい反応をし、時に大規模な火災の原因となります。

酸素だとばれていればあとは簡単。水素との化合物とはもちろん水。
「一部の金属」とは、ナトリウムなどのイオン化傾向が極端に低い金属のこと。高校の化学の時間にナトリウムを水に入れる実験をやりましたよね?
実際に、原発でナトリウム漏れ事故による火災が起きたりもします。

4. 35億年前、藍藻類という微生物が排出したこの気体により、地球上のほとんどの種が絶滅に追い込まれました。

35億年前、藍藻類という初めて光合成をする微生物が誕生し、海の中に酸素が大量に放出されました。
この時生きていた微生物は嫌気性(酸素があると死ぬ)であったために、ほとんどが絶滅してしまいました。
そうして、酸素を使ってエネルギーを取り出すことのできる好気性の微生物が台頭していくことになるのです。

5. 放電させることにより臭いのある気体になりますが、これはビタミンDを体内で作り出す為に欠かせない紫外線を大部分カットしてしまいます。

この時発生する気体とはオゾンです。
紫外線の記述も半分本当ですが、宇宙からの紫外線が直撃すると皮膚ガンの原因にもなります。オゾン層が紫外線をカットすることはむしろいいことですよね?

6. 高濃度状態で吸引すると猛毒で、最悪の場合失明や死に至ることもあります。

60%以上の高濃度酸素は猛毒です。市販の酸素ボンベなどは、そういうことがないように酸素は20%ほどしか含まれていません。
ダイバーなどが、圧縮された空気を吸い込んでこの酸素中毒を起こす例があるようです。

7. 大火災の主な原因となっている物質で、逆にこれさえ取り除けば全ての火災は収まります。

そりゃそうだ。酸素だと分かっていれば簡単ですね。

8. これほどまでに危険な物質であるにもかかわらず、大気中に20%も存在しています。

これも本当。逆に、20%含まれているから、我々は生きているんですね。

9. また、スポーツマンはこの物質を好んで吸引し、最近はこれを溶かした水まで商品化されている始末。

あの「酸素水」、飲んだことがないんですがいったいどういう意味があるのでしょうか?
大体、同じ口で「活性酸素を吸いすぎると体によくない」とかいうじゃないですか(実際は、好気性生物には活性酸素を無毒化する酵素があるので問題ない)。
毒にはならないと思うのですが、そういう科学的によく分からないものが蔓延しているっていうのは問題ですよね。