影の僭王 ザント

「僭」には「僭越(せんえつ)ながら」という言い方があるように「身の程をわきまえない」という意味があります。僭王とは、本来王の地位にあるべきでない者がクーデターなどを起こして無理矢理王になった、というような意味です。
英語版では"Usurper Zant"。usurpが「権力を強奪する」という意味なので、うまく当てたというか。


冒険序盤、狂気の中に残酷なまでの冷静さを秘めた渋い悪役であったザント。影の宮殿の中では、自分の幻影を幾度となく呼び出してリンクを襲い、その強大さを印象づけます。


こういうヤツがキレると怖いんだよなあ・・・。と思いながら、決戦前の会話に耳を傾けます。


ご多分に漏れず、こいつもキレました。
自分の中の狂気が変な方向に暴走し、なんかもう今までのこいつのイメージが音を立てて崩れ去っていきます。
いやさ、ゼルダに投降を迫ったときとか、ミドナに「お前が欲しい」とか言ったときに見せた、少女漫画のイケメン悪役みたいな渋さはいったいどこに行ったんですか?


そしていざ対決。
森の神殿風のステージに移り、毒の沼から魔法の球を撃ってくるザント。
シリーズの伝統として、こういうヤツの倒し方は「盾で魔法を跳ね返す」のがセオリーなので、試してみますが、全然跳ね返りません。
弓で撃ってみても当たりません。おかしいなあ。ほかに飛び道具といえば・・・。
待てよ? 森の神殿? ああ、あのアイテムか。


その後も次々にステージを変えて襲ってきますが、攻略法がわかったのであとはとっても簡単。
簡単ではありましたが、今までの冒険の集大成といった感じでとてもおもしろかったです。


イメージの崩れっぷりには度肝を抜かれましたが、ゼルダの準ラスボスって虫取り網で死んだりするからなあ・・・。
ある意味ゼルダらしいと言えばらしいのかもしれません。