無敵看板娘14巻
最初に言っておきます。
このマンガ、この手の絵柄のギャグマンガにしては珍しく、お色気・サービスカットは皆無です。
女性キャラのほとんどは黙っていればかわいいのに、ラーメン屋の看板娘はご近所を巻き込んで死闘を繰り広げるし、パン屋の看板娘は毒を仕込んだ串を投げるし、高校教師はすぐ死にたがるし、小学生の女の子は町内最強の猛犬を手なずけているし、婦人警官は縄を振り回すと、やりたい放題。
1巻から13巻までの表紙なら「あ、気の強い女の子が暴れ回る話なのね」ということが一発で分かるのですが・・・
14巻表紙はこれ。
買いづらいったらもう。
表紙だけ見て「萌え」狙いで買った人は損するだろうな。
少なくとも裏表紙の桃太郎侍と同一人物だとは思うまい。
枕はそれぐらいにして、この巻で爆笑したエピソードをピックアップ。
第143話 TSUJI&MIKI
ムテカンは、たまにセリフも効果音も(最後以外は)ない、いわゆる「サイレントマンガ」を掲載することがあります。
これだけでも充分笑えるというのが作者の力量のすごさですが・・・
今回はデフォルメっすか!?
美輝と辻のやりとりをトムジェリっぽくしたかったのかな?
・・・と思ったら、オチのためだったのか!
第145話 ポカポカ陽気がそうさせた
最初の3話は「いつもと違う登場人物」が描かれるので、
14巻から読み始める人はここから読むといいです。
犬とスパーリングができるほどの信頼関係を築き上げるわ、頭はいいわ、(特に年下の)女の子にはモテるわ、完璧人間みたいなニャーを台無しにしてるのは美輝への復讐心なんだなーとしみじみ思うエピソード。
・・・そんな復讐心が変な方向に空回りするとこうなるのか!
この辺からだんだん若菜ちゃんの作画がUPしていきます。
第147話 世界・甲/第148話 世界・乙
雑誌では2本立てだったこの2話。
・・・すげえ! 2つの世界をここまで完璧にリンクできるのか!
・・・てか、147話冒頭で美輝が寝てる原因、てっきり単なる居眠りだと思わせておいて148話で思いっきり裏切るというとてつもない回。
いくつ引き出しを持ってるんだ、この作者。
第149話 出会いを生むメニュー
14巻で一押しの回。1ページ目で妙なテンションに苦笑いし、2〜3ページ目でお約束の展開に軽く笑い、4ページ目で再起不能になるくらい爆笑していただきたい。
ゴン子が太眉を気にしていたということが明らかになる回でもあります。
・・・そのままの方がかわいいのに。
第151話 赤い糸に見えた溝
145話最後のコマはこれの伏線だったのか!
若菜ちゃん・ニャーの思考のすれ違いっぷりが面白い。
恋愛要素が殆ど無いムテカンの中では異色作。
と思いきやいつも通りなのがらしいというか。
次巻予告
・・・といっても全くのデタラメです。
作者がお遊びでウソの予告を書き下ろすコーナーになってます。
大体がどこかのマンガのパロディなのですが、14巻だけは現実味を帯びています。
もちろんウソ予告ですが、今回だけは「こうなったらいいのにな」という作者の願望がちょこっと込められているみたいです。
・・・ということは、全日本看板娘選手権やりたいの!?
・・・ゴン子&太田の変な眉毛対決も!?
今回は、「漫画界のありがちな展開」と、「無敵看板娘」そのもののパロと見なすべきでしょう。
ともあれ、ここで鬼丸飯店が千葉県にあることが明らかに。
作者・佐渡川準氏が千葉県柏市にお住まいだそうで、そこの小さな商店街がモデルになっているのでしょうね。