パルスマン(VC-MD)

こんなどマイナーなゲームを配信してくれるなんて、セガはやっぱり目の付け所が違うというか(単に版権の取りやすそうなゲームを片っ端からかき集めているという説もありますが)。
初代からの熱狂的なポケモンファンである私としては、その原点に当たるこのゲームは、是非一度遊んでみたいものでした。


舞台は、電脳生命体「e-Life」と人とが共存する近未来。
人間の父とe-Lifeの母の間に生まれた少年・パルスマンが、悪の科学者・ドク・ワルヤマと戦うというストーリー。


人間と電子生命体のハーフであるパルスマンは、現実世界と電脳世界を自由に行き来できる能力を持っています。また、しばらく走り続けることで体内に電気エネルギーをためることができ、使いやすい飛び道具である「スマッシュアロー」や、斜め上に飛び出して壁や天井をはね回る「ボルテッカー」などの必殺技を繰り出すことができます。


・・・しかし、基本的にはそれだけ。
現実世界と電脳世界の両方で戦うという(当時としては)斬新な世界観、名グラフィッカー・杉森建による魅力的なキャラデザイン、ボルテッカーで飛び回る爽快感などがうまく表現されていますが、それでも大筋はごく普通のアクションゲームです。
慣れてくるとおもしろいですが、それでも突出した個性に欠け、「佳作だが名作ではない」という評価は的を射ているといえるでしょう。


ぷよぷよ通をやっていた細谷にみせたら「何、このロックマンのパクリ」と言われたのが悲しかったです。そりゃ「今見れば」の話であって・・・。
このゲームの発売は1994年。ロックマンは7がまだ先、X2がもうすぐ発売されようかという時期なので、これらと見比べてみれば別物なのは一目瞭然だと思います*1
むしろ、丸まっての体当たりやしばらく走っているとスピードアップする特性など、同社の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」との類似点が目立ちます。実際、開発者インタビューでは、制作に関してソニックへの対抗意識があったことがわかります。


この作品は、セガに少なかった正統派アクションとしてそこそこの評価を受け、「ポケモン」ヒット後もかなり長い間ゲームフリークのマスコット的な位置づけでした。
また、前にも書いたとおり、「ポケモン」の中にこの作品のオマージュともとれる部分が散見されます。
英語版Wikipediaに詳しいのですが、いくつか例を挙げてみると・・・

ほかには、「スクリューブレイカー 轟振どりるれろ」にもこれに似た仕掛けがいくつか登場します。


ヨッシーのたまご」はすでに配信されているので、次の配信はやっぱり「クインティ」か「マウス専用マリオとワリオ」ですかね。
クインティはできれば漫画も見たい。

*1:特に、インターネットの普及は当分先であるこの時代に、コンピューターネットワークを前面に押し出したのは非常に画期的なアイディア。当時こんな世界観の作品は、「真・女神転生」や特撮の「電光超人グリッドマン」ぐらいしかなかった。